こんにちわ。今日もどこかをフラフラと旅しております、AJ (nobu)です。
今回は、キリスト教の聖人を取り上げます。
ジョージアやイングランドの守護聖人とされている聖ゲオルギウス。国旗の勉強をしていて出てきた人物なのですが、竜退治の伝説があったりと、面白そうなのでもう少し深掘りしてみることにしました。
キリスト教の聖人も少しづつ勉強していけば、ヨーロッパ旅行がもっと楽しくなるかもね。
ジョージア、イギリス、ロシアへの旅行を考えているあなた、この記事をよめば、あなたの旅も深まること間違いなし!
聖ゲオルギウス 解説
ゲオルギオス(Georgios)は、キリスト教の聖人の一人で、古代ローマ末期の殉教者です。ドラゴン退治の伝説が有名。ちなみにキリスト教の聖人伝説をまとめた『黄金伝説』には数多くのドラゴン退治物語が記載されており、聖ゲオルギオス伝承もその中に記載されているそうです。
黄金伝説、そんな本があるのか
ゲオルギウスの他にも、ジェルジオ、ゲオルギイなど各国、各宗派によって様々な発音で呼ばれることがあります。
いくつか例を挙げると、
- イタリア語 – ジョルジョ Giorgio、
- 英語 – ジョージ George
- ドイツ語 – ゲオルク Georg
- フランス語 – ジョルジュ Georges
- グルジア語 – ギオルギ გიორგი
などなど。
てゆーか、このへんの名前って全部同じだったのね。海外の人は同じ名前ばかりで混乱しないのかね。
史実の中のゲオルギウス
ゲオルギオスの生涯ははっきりしないが、伝えられているところに依れば、3世紀後半にパレスチナのリュッダでギリシャ系貴族のキリスト教徒の家庭に生まれたそうです。父親はローマの軍人で、彼も小アジア(現在のトルコ)のニコメディアで軍人となったといいます。
もともとは軍人さんだったんだね
当時のローマはキリスト教を認める前だったので、時の皇帝ディオクレティアヌス帝は302年にローマ軍のキリスト教徒をすべて逮捕する政令を発し、ゲオルギウスも逮捕されてしまいます。彼は棄教を強要されましたが、棄教せずに殉教したといわれています。
伝説:竜の退治
竜退治の伝説の成立は11世紀から12世紀頃のジョージア国といわれています。
あらすじ
カッパドキアを中心とした小国の付近に、毒を振りまき人には咬み付く、巨大な悪竜がいました。人々は、毎日2匹の羊を生け贄にすることで、何とかその災厄から逃れることとなったのですが、羊を全て捧げてしまった人々は、とうとう人間を生け贄として差し出すこととなりました。生贄を選ぶくじに当たったのは、偶然にも王の娘でありました。王は城中の宝石を差し出すことで逃れようとしたが、周りは納得せずに、そのかわりに8日間の猶予を王に与えました。
そこにゲオルギオスが通りかかりました。彼は毒竜の話を聞き「よし、私が助けてあげましょう」と出掛けていったそうです。
ゲオルギオスは生贄の行列の先に立ち、竜に対峙しました。竜は毒の息を吐いてゲオルギオスを殺そうとしたが開いた口に槍を刺されて倒れます。ゲオルギオスは姫の帯を借り、それを竜の首に付けて馬のようにして竜を村まで連れて行きました。大騒ぎになったところで、ゲオルギオスはこう言いちます。
「キリスト教徒になると約束しなさい。そうしたら、この竜を殺してあげましょう」
こうして、異教の村はキリスト教の教えを受け入れ、竜も退治されました。
めでたし めでたし
めでたし?なのかな。普通に倒して終わりじゃないんだね
キリスト教的には”異教徒を改宗させました”っていうのは、栄誉ある成果だし、善行なんだろうね。まぁ昔話ですし。
そんな勇敢な聖人のイメージがあってからか、彼のマークである白地に赤十字は、中世には十字軍のマークとして採用されていたりもします。なのでイスラム圏の人にはこのマークはあまり人気でなかったりするそうです。
あれ?そういえば病院の赤十字は?
赤十字は、赤十字社の設立元であるスイスの国旗を反転させたものなんだそうです。赤十字の憲章にもスイスに敬意を表してこのマークを使う、と記されているのだとか。
なるほど、一応無関係なのか
ちなみに、先程の十字軍の話とからめて、イスラム圏の赤十字グループでは、このマークの評判が悪く、白地に赤い三日月のマークが使われている国もあるそうです。
こんなところにもゲオルギウス
現在では、多くの場所でゲオルギウスの影響を見ることが出来ます。
国旗の話でも書きましたが、白地に赤十字のマークはゲオルギウス十字と呼ばれるデザインで、その土地の守護聖人として指定されていることが多いです。
具体的にはジョージア、イングランド、モスクワなどです。その他にも東西や宗派を問わず広い地域で愛されていて、西方では十四救難聖人の一人に数えられています。
絵画のモチーフに良くなっており、白地に赤色の十字や竜が描かれている絵画を見つけたら、それは彼の可能性が高いでしょう。
ちなみに、ゲオルギウスを祝う祝日は4月23日、竜の奇跡の記念日は10月27日で、祝日となっている国もいくつかあるみたいです。
追記:聖ゲオルギウスの日(サン・ジョルディの日)
と、記事を書いたものの、いつも今日は何の記念日か確認するサイトで”サン・ジョルディの日”と紹介されていたので、フォロワーさんとリプで会話するまで、4月23日が聖ゲオルギウスの日であることに気が付きませんでした。
サン・ジョルディはスペイン語の聖ゲオルギウスだね
本日は #WorldBookDay だそうです😆
— AJ (nobu) (@AjNobu) April 22, 2020
本にちなむキリスト聖人の日であると同時にシェイクスピアの誕生日でもあるそうな🤔
写真は #イギリス 🇬🇧大英図書館とV&A博物館の様子😆#本好きと繋がりたい
ついでに #自己紹介#名刺代わりの小説10選
ちなみに作者被りOKなら半分イーガンで埋まります🤣 pic.twitter.com/KQtix13sPt
サン・ジョルディの日がらみの話で言いますと、スペインのカタルーニャ地方も聖ゲオルギウスを守護聖人としている地域なのだそうです。もともとこの地方では、サン・ジョルディの日には赤いバラ(ゲオルギウスが倒したドラゴンの血にちなんで)を送る風習がありました。
また、4月23日はスペインのご当地文豪セルバンテス(『ドン・キホーテ』の作者)の誕生日で、さらにはあのシェイクスピアの誕生日でもありました。そこに目をつけたカタルーニャのある本屋さんが、地元のバラを贈る風習と文豪の誕生日を結びつけて、この日に本を贈ろう!とキャンペーンを仕掛けたところ、コレが大流行。
ということで、今ではユネスコの”世界本の日”、日本でも”子供読書の日”に定められたりしているそうな。
なんというか、世界版の”恵方巻き現象”といった感じ。
え、じゃあゲオルギウスが本にちなんでいるわけじゃないんだね
Twitterでウソをばらまいてしまいました(苦)
ということで、4.23は本でもプレゼントしてはいかがでしょうか。
キリスト教の聖人暦についての記事も書きましたので、こちらも合わせて読んでみてください⇩
おわりに
今回はキリスト教の聖人ゲオルギウスについて、お勉強しました。
キリスト圏を旅する時に、こういった知識があれば、教会とかをもっと楽しめるかもしれませんね。
この調子で14聖人調べてみようかな
しばらくネタ切れせずに済みそうだね。
少なくとも、ジョージアを旅するのなら知っていると良いかもしれませんね。
あ〜〜、ジョージア行く前に調べておけばよかった!
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