こんにちわ。今日もどこかをフラフラと旅しております、AJ (nobu)です。
今回は、男の子なら誰でも大好き、神話のお話です。
なんで、男の子って神話とか伝説が好きなのかしらね
日本神話を始め、ギリシャ神話、北欧神話、エジプト神話など様々あありますが、今回取り上げるのはコーカサス神話です。
コーカサスは広いユーラシアの中で、カスピ海からトルコにかけてのエリアです。具体的には、ジョージア・アルメニア・アゼルバイジャンの3カ国ですよ。
コーカサスへの旅行を考えているあなた、この記事をよめば、あなたの旅も深まること間違いなし!
コーカサスの神話
そもそも、コーカサスという土地には上記の3つの国の中に、様々な民族が暮らしています。それぞれの民族が、それぞれの神話や昔話を持っているので、なかなかこれがコーカサスの神話だ、とは言えなかったりするんですよね。
コーカサスの三国はそれぞれジョージア=グルジア人、アルメニア=アルメニア人、アゼルバイジャン=アゼリー人が多数派として国が成立しているけど、多くの少数民族も暮らしているんだよ
そんな中でも、ジョージア北部の少数民族が共通した物語郡が今回ご紹介するナルト叙事詩になります。具体的にはアブハズ人、チェルケス人、オセット人、チェチェン人などがこのナルト叙事詩を語り継いできたそうです。
ナルト叙事詩 概略
ナルトは叙事詩の中で活躍する種族の名前になります。物語の中心となるナルトと呼ばれる民族は巨人族で、その中でも半神的な英雄なんかが出てきて活躍したりします。またナルト神話は多くの点でギリシャ神話との類似点がみられます
ナルトの人たち(英雄たち)は基本的に勇敢ですが、たまにおちゃめだったり、ぶっ飛んでたりします。あと、馬と自然を愛してる面がありますが、これはナルトを語り継いでる民族は大昔は遊牧騎馬民族だった為ではないかとも言われています。
ナルト神話に出てくる馬は、喋れることが多いみたいだよ
また、ナルト伝説では鉄や鉄製用具の信仰が広く示されています。
神話の成立時期と鉄器の登場時期に関連性があるのかもね
そういえば、ジョージアの博物館で見たお宝は、馬を象ったイヤリングでしたね。山岳民族の印象が強いですがルーツは騎馬民族なのかもしれませんね。
僕の実際の旅路を記した”旅の道しるべ”も、そろそろコーカサス編突入です。
お楽しみに!
キャラクターからみるナルト叙事詩
叙事詩は一つの物語と言うよりは、いくつかの物語の集合体が一つの世界観を作っている感じになります。まずはじめに、登場するいくつかのキャラクター名を知ることが、理解への第一歩かもしれません。
様々のキャラクターが物語を紡ぎますが、民族によって呼び名は違っていたりするようです。とりあえず、これはオッセ卜族での呼び名で紹介します。
バトラズ
ナルト叙事詩に登場する半神であり最大の英雄。父親の背中の瘤から産まれ、 産まれつき鋼鉄の身体を持っています。さらに鍛冶神クルダレゴンに鍛えられたことによって、どのような武器も通さない無敵の体となりました。
なんかヘラクレスっぽいね。
他の英雄たちと魔法の杯”ナルタモンガ”を巡る争いに勝利し所有者となります。また、最強の神剣ズスカラを巡るお話などで主役として物語を動かします。
今度はアーサー王伝説っぽいね
ソスラン
アブハズ族の伝承などでは、コチラが主人公的に描かれている。石から生まれ、踵だけが弱点でほか不死身の肉体を持つ。
それ、なんていうアキレウス
オセティア版だと、膝が弱点になっている。どちらの物語でも、最終的には弱点に攻撃で死んでしまう。。
シルドン
北欧神話のロキとも比較されるトリックスター的な英雄。一部の伝承では、神に歯向かうことをそそのかし、ナルト滅亡のきっかけを作る。
ウリズマグ
ナルトの長老、最長老で最も賢い。すべてのナルトの祖父とされる。
サイネグ・エルダス
バトラズの父を殺害した魔剣士。武器の神サファから授かった神剣ズスカラを持つが、バトラズに奪われ、逆に斬り殺されてしまう。
サタナ
海神と精霊の娘。ヒロイン的な役回りをする。知恵と魔法に優れ、一族の危機を救うストーリーもある。うっとりするような女性で美や知性、衰えない若さなどの象徴として描かれる。
アーサー王伝説とも類似点
聖杯ナルタモンガ
ナルタモンガは、ナルト叙事詩に登場する魔法の杯です。ナルタモンガは不思議な力を持っており、自然に酒が満ち、自らの魔力によって宙に浮き、最高の勇者の口元に移動するそうです。またナルトたちが語る自らの冒険談が真実であるかを判定することもあるとか。
叙事詩ではこの魔法の杯を守護するのは名誉あることとされ、誰がこの栄光を得るかで争いがあります。結局は最大の武勇を誇るバトラズがウリズマグやソスランを押しのけてナルタモンガの守護者となりました。
聖剣ズスカラ
神の剣ズスカラを持つ男サイネグ・エルダス。彼は一部のナルト達から依頼を受けて、バトラズの父親を殺害します。怒ったバトラズは身分を隠してサイネグからズスカラを借り、逆にサイネグを切り倒します。バトラズは、依頼をしたナルトたちをも斬り殺し、最終的に聖剣ズスカラを湖の中へと放り投げます。
血なまぐさいお話ね
このナルタモンガとズスカラの話はイギリスのアーサー王伝説との類似点が指摘されていて、一部ストーリーが類似していたりします。どこかで共通の起源を持っているのかもしれませんね。
実際、コーカサスもヨーロッパの東の端とも捉えられるし、コーカサスからヨーロッパへ移住した民族がいることも事実です
民族による伝承の違い
アブハズ族
石から生まれたサスリクヴァが叙事詩の中核を担う。一部研究では、サウリクヴァ=ソスランとされています。
ナルトに火をもたらす話(プロメテウス的な話)や、悪の人食い巨人から99人の兄弟を救う話があります。
ちなみにアブハジア共和国はジョージア国内に未承認国家として存在している。
チェルケス人(アディゲ族)
物語に現れる氏族が多いという特徴を持つ。
孤独な英雄バディノコという物語があります。他のナルトとは離れて育てられたパディノコがナルト種族の永遠の敵イニジ(一つ目の巨人)を倒す物語です。またバディノコのおかげで残虐なナルトの古い法が改正されるお話があったりする。
オセット族
オセティア伝説ではナルトの死が語られる。シルドンの助言により、神に頭をさげることを止めたナルトたち。神はこれに怒り、ナルトへ”子々孫々の貧困”か”栄光の死”かの二択を迫る。ナルトは栄光の死を選び、神は天の軍隊を送り、ナルトを根絶やしにする。
南オセチア国も、ジョージア国内の未承認国家
チェチェン人
チェチェン(=ナフ系・ヴァイナフ系)の人々で、語り継がれてきた神話には、オストロホイというナルトが神に反逆する物語があります。その他にも独自性が高くヴァイナフ神話として別に語られることも多いようです。
おわりに
今回はコーカサス地方に伝わるナルト叙事詩を取り上げてみました。なかなか日本語ではまとまった情報が得られないマイナーな神話でしたが、自分なりに気になったところをつなぎ合わせてなんとか記事にしてみました。
まぁ、マイナーじゃないとこのブログで取り上げる意味がないしね。
あと、ナルトって聞くとどうしても某忍者漫画が思い浮かんじゃいますよね。実際、検索してもNARUTOばっかりヒットします。ナルト叙事詩の英語の綴りは”Nart saga”なので、この際カタカナ語表記を”ナート”にしたほうが良いんじゃないかと、まじでどうでもいいお節介心が湧いたりしました。
こういう知識をもって旅をすれば、雄大なコーカサスの山々も、すこし違って見えてくるかもしれませんね。
遠くに見える山々の影に、偉大なナルト族が見えるようになるかもしれないね。
それではまた次回!
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