こんにちわ。今日もどこかをフラフラと旅しております、AJ (nobu)です。
今回は久々に美術のお勉強!
よくこんがらがる、アール・ヌーヴォーとアール・デコについてお勉強します。
19世紀後半から20世紀の芸術を見ていきますよ。
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ヨーロッパ・アメリカへの旅行を考えているあなた、この記事をよめば、あなたの旅も深まること間違いなし!
アール・ヌーヴォーとアール・デコの違い
よく、混同されるこの2つですが、じつは時代も特徴も全く違う芸術運動になります。
共通しているのはどちらもフランス語だということ
ちなみにアールはフランス語で芸術(アート)ね
以下、それぞれの特徴を羅列して比較してみます。
- アール・ヌーヴォー
1890-1910 , 曲線的 , 花や植物がモチーフ , エレガントで装飾的 , ヨーロッパ - アール・デコ
1920-1940 , 直線的 , 幾何学模様 , 機能的で合理的 , アメリカ
こうしてみると、まったく真逆の芸術運動なんだね
共通している点としては、絵画などの領域よりも、建築や工芸でその活躍が見られた点があげられますね。また、第一次世界大戦の境にした芸術の移りかわりとして、連続して見ることも出来ます。
また、アール・ヌーヴォーの契機に1899年のパリ万博が、アールデコの契機に1925年のパリ万博が関わっているのも面白いですね。
だから、両方ともフランス語なんだね。
というか、昔はいっつもパリで万博やってたんだね。
(パリ万博は通算8回)
ここからは、代表的な作品を見ながら、もう少しだけ詳しく解説していきますよ。
アール・ヌーヴォー
アールヌーボ 特徴と前後関係
アール・ヌーヴォーの特徴はなんと言っても、とらえどころの無いクネクネとした感じになります。
自然をモチーフにしているからね
もともとは、産業革命(19世紀初頭)による創造性の枯渇を指摘したイギリスの芸術家によって始まった運動とされます。19世紀といえば絵画では印象派が活躍した時代です。それらの影響を受けながら、より自然界に近いデザインを模索する中で大きな運動になっていきました。
特に中心地となったのはベルギーのブリュッセルや、フランスのパリでした。
第一次世界大戦(1914-1919)が近づくにつれて、装飾的なアールヌーボの運動は収束していくことになるのです。
アールヌーボ 建築 代表作
ガウデイ
ガウディはアール・ヌーヴォーを代表する建築家です。サグラダ・ファミリアや、グエル公園を想像してもらえれば、アール・ヌーヴォーの特徴が簡単に理解できると思います。
また、ガウディの他にはベルギーのヴィクトール・オルタが有名になります。
アールヌーボ 工芸 代表作
エミール・ガレ
工芸品では、フランスのナンシーという街を中心としたガラス工芸家たちの活躍が目覚ましいです。動植物をモチーフにしたり、ガラスに彫刻を施す技法などで有機的な雰囲気を作り出しました。
ガレは、1889年のパリ万博ではガラス部門でグランプリ、陶器部門で金メダル、家具部門で銀賞を受賞する大活躍を見せました。
同じくナンシーで活躍したドーム兄弟も有名です。
アールヌーボ 絵画 代表作
ミュシャ
絵画の文脈ではあまりアール・ヌーヴォーは語られませんが、ミュシャの作品なんかはアール・ヌーヴォー的といえますね。この時期の絵画界は、後期印象派から退廃的と言われる世紀末芸術など、様々なジャンルが混在して流行していました。
アール・デコ
アールデコ 特徴と前後関係
さて、時代は移って1920年代。第一次世界大戦によって、世界はまさに一新されることになります。
19世紀では新しいものであった”産業技術”は、もは当たり前のものとしてそこに存在し、大量生産の時代とともに新しい芸術運動が起こりました。それがアールデコになります。
また、時代の中心がアメリカに移っていくにつれて、芸術の中心が米国に移っていくのも面白いですね。
アール・デコはさらに時代が進み、より画一性や機能性を重視するモダニズムへと移って行くことになります。
アールデコ 建築 代表先
エンパイアステートビル
アール・デコの代表的な建築物は、マンハッタンの摩天楼郡になります。
エンパイアステートビルの他にも、同じくマンハッタンのクライスラー・ビルディング、ロックフェラーセンターなどもアール・デコ建築に数えられます。
アールデコ 工芸 代表作
ルネ・ラリック
ルネ・ラリックは、アール・ヌーヴォーの時代からアール・デコの時代まで活躍し続けた工芸家なので、その両方の特徴を持った作品を見ることができます。
この時代は、大衆向けの化粧品が普及し始めたため、香水瓶などの小瓶が大量生産されることになり、アール・デコの作品はそれらの商品のモデルとしても注目を浴びることになりました。
アールデコ 絵画 代表作
カッサンドル
絵画の世界でも時代が進み、印象派からキュビズムなどが誕生した後の時代になります。
ポスターなどの需要が高まり、よりデザインが重視される時代になりました。
アンディ・ウォーホルなどのポップアートが活躍するのは1960年代。カッサンドルはそれより30年近く前に先駆していたことになりますね。
おわりに
いかがだったでしょうか。
なんとなくだけど、わかった気がする
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建築・工芸・芸術と、代表的な作品を並べることでアール・ヌーヴォーとアール・デコの違いが解りやすく理解できたのではないでしょうか。
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