スペインの魔女が由来?エコエコアザラシ、エコエコオットセイの元ネタと世界各国の魔女を調べてみた

画像:イギリスのウィッカ博物館 おい、旅しろよ

こんにちわ。今日もどこかをフラフラと旅しております、AJ (nobu)です。

AJ(nobu)
AJ(nobu)

いや〜、みなさんやっていますか?ウマ娘

相変わらず一年遅れで旅の日記を書いてるこのブログで、まさかの話題のゲームのネタです。

めちゃくちゃ流行ってますよね。流行りに乗じて、しれっと僕もやっています。

太陽の精
太陽の精

で、どの子が好きなんだい?

沢山キャラクターが出てきますが、僕の推しキャラは”マチカネフクキタル”ちゃん。あ、分かる人だけ、わかってください。

占いが大好きという設定の女の子で、一応占い師もやってる旅人としては、推しキャラにせざるをえませんでした。

そんなウマ娘をプレイしていた時に見つけた疑問から、今日は世界の魔女特集です。

魔女の国への旅行を考えているあなた、この記事をよめば、あなたの旅も深まること間違いなし!

エコエコアザラシ エコエコオットセイ

さて、ゲームをやっていると、占い好きの”マチカネフクキタル”が呪文を唱えるイベントがあります。その時の呪文が”エコエコアザラシ エコエコオットセイ”。

可愛い呪文ですが、元ネタがわからなかったので調べていたら、思わぬ魔女沼にハマってしまったので記事にしてみました。

さて、さっそくですが、元ネタは1975年から1979年に少年チャンピオンに連載された”エコエコアザラク”という漫画みたいです。ブラックジャックやドカベンと共に、少年チャンピオン黄金期を支えたレジェンド級の名作なんですって。

AJ(nobu)
AJ(nobu)

漫画には結構、自身のある旅人ですが、読んだことなかったです。読まねば。

太陽の精
太陽の精

ブラックジャックもドカベンも、学校の図書室にあったから読んでたけど、エコエコアザラクは学校の図書室にはなかったね〜

ヒロインの黒井ミサによるオカルト&ホラーな漫画です。大人気マンガなので、当然映像化も何度もされていました。そう言えば、黒井ミサという名前くらいは聞いたことがあったような、気もするような、しないような。

なるほど一件落着。

と思いきや、この漫画”エコエコアザラク”にも、さらに元ネタがあるようでした。

エコエコアザラク エコエコゾメラク エコエコセルノノス エコエコアラディア

そして、たどり着いたのが現代魔女文化の創始者ジェラルド・ガードナーによるウィッカ(ページ末に用語集も載せときました)について。

要するに現代魔女の集会で、このエコエコアザラクが聖歌として歌われていたんですね。

だるま©
だるま©

ということでこれが、ホントのホントの元ネタ。

呪文の意味は不明だそうですが、エコエコはバスク語の”ここ”を表していて、アザラクや、その他のう後ろに続く言葉は、それぞれ神様の名前を表している、という説があるみたいです。

バスクと云うとスペインでも、独自のバスク語を話す、やや特殊な地方ですね。

ちなみに英語版Wikiの、この呪文のページにもちゃっかり日本の漫画の”エコエコアザラク”への言及があったりします。

現代の魔女

まぁせっかくなので、旅が豊かになるように、魔女の歴史や文化についてもちょっとお勉強しておきましょう。

まずは歴史から。

魔女というと、中世の魔女狩りがまっさきに思い浮かびますが、現代の魔女文化は1940年代以降にイギリスのジェラルド・ガードナーという人が盛り上げた、オカルトムーブメントを直接的な起源として見ることができるそうです。

ガードナーは1884年生まれで、1936年までは英領マレーシアなどで税務官をしながら、土着の宗教などを研究していたそうです。その後イギリスへ帰国した後に、有名なオカルティストであるアレイスター・クロウリーの協力の下、独自のウィッチクラフト体系を築き上げました。1954年に発行した”ウィッチ・トゥデイ”がヒットし、大衆に受け入れられました。その後、イングランド各地で魔女集会が開かれるようになり、現代の魔女文化が始まったそうです。

現代の魔女・用語集

  • ウイッチクラフト
    魔術や呪いを始めとして、魔女と関連付けられる知識・技術・信仰の集合を指す。魔女術ともいう。
  • ペイガニズム
    自然崇拝や多神教の信仰を広く包括して指し示す言葉。アブラハムの宗教(ユダヤ・キリスト・イスラム)からみた、その他の信仰やら世界観やらを包括的に示す言葉。なので日本語にすると異教主義と訳される。
  • ネオペイガニズム
    ペイガニズムをパレオ・メソ・ネオの3つに分類したときのひとつ。パレオは神道やヒンドゥー教など断絶のないペイガニズム。メソは、ケルトやアボリジニなど中世・近世において断絶の危機にあったペイガニズム。ネオペイガニズムは近現代における、キリスト教以外の世界観を持つ宗教や、自然崇拝などをへ戻ろうとする動きを総合して指す。
  • ウィッカ
    ネオペイガニズムのいち宗派。1954年のジェラルド・ガードナーの著書により広まった言葉。1宗派というよりも、現代における魔女関係の総称みたいなもの。
  • オカルティズム
    日本語だと神秘術と訳すらしい。本来は占星術、錬金術、魔術などの実践を指すが、ひろく怪しい集会や知識体系を示す言葉としても使われる。
  • サバト
    魔女の集会。ヨーロッパでは土曜の夜に魔女が集会を行うと信じられ、中世から17世紀ごろまで、サバトに参加した罪を告発されて裁判にかけられた記録が無数に残っている。悪魔崇拝と強く結びつており、その意味では現代のペイガニズムやウィッカの集会をサバトと呼ぶには語弊があったりもする。黒ミサとも。
  • カヴン
    魔女のコミュニティーのこと。古くは1600年代からある言葉らしい。
  • ジェラルド・ガードナー
    現代ウィッカの事実上の創始者。1884年生まれのイギリスのオカルティスト。
  • アレイスター・クロウリー
    1875年生まれのイギリスのオカルティスト。現代ウィッカに先行する形で、世界的にオカルトブームを盛り上げた先駆者的存在。
  • スカイクラッド
    日本語では空衣。要するに裸。一部の儀式では、裸にならないといけないらしい
  • 三女神
    多くのネオペイガニズムにおける主要な女神。
  • 英語
    ちなみに英語だと , 魔術=magic , 妖術=witchcraft , 邪術 =sorcery , ちなみに呪術は今の所ないらしい。まぁ、そんな事言いだす巫術・方術・法術・咒術・神通力なんて、いろいろなのが日本語にはありますね。
  • 黒魔術
    黒魔術はBlack magicの訳。自分側に都合が悪い魔術は全部黒魔術。もちろん魔女が使うともされているけでれど、ウィッカの人たちはこの呼び方を認めていないらしい。

各国のペイガニズム

調べてみると魔女信仰や現代魔の女体系は、キリスト教文化に対する反動としての、土着信仰の受け皿的なもののようですね。イギリスから始まったウィッカですが、各国でキリスト教以前の宗教と結びつきながら、文化していったそうです。まぁ、それにあたる言葉がネオペイガニズムというわけですね。

お次は、各国別のネオペイガニズムを見てみましょう。

ヘタニズム

アルメニアのネオペイガニズム。先住民信仰をベースにし、組織としては1990年代に結成された。

ディエヴトゥリーバ

ラトビアのネオペイガニズム。13世紀のキリスト教化以前のラトビアの民族宗教の復興を目的とした運動。ソ連からの民族運動の側面も持つとされる。

ロムヴァ

リトアニアのネオペイガニズム。バルト三国では最もペイガニズムが盛んのようだ。

ドルウィ

同じくリトアニアのネオペイガニズム。特に同国のプロシア人の民間宗教をベースにしているとサれるペイガニズム

グアンチェ人教会

スペインに2001年に結成された宗教団体。カナリア諸島の古代グアンチェ人の伝統や宗教観を後世に残すために結成された。女神チャシラシを母神とする。

ザモルシャニズム

ルーマニアのネオペイガニズム。古代ダキア人とトラキア人の文化をルーツとするネオペイガニズム。彼らの神ザモルクシスの名前は古代ギリシアのヘロドトスの記述にも出てくる。

ヒーザニズム

近現代における、ゲルマン民族のネオペイガニズム。

フェリ

1960年代のアメリカのカリフォルニアで生まれたペイガニズム。様々な宗教の要素を取り込んだ、魔女信仰。

コクラン主義

1951年、イギリスの魔女コクランによって作られたウィッカ。英国のウィッカにもいくつか派閥があるみたいだ。

ストレゲリア

南ヨーロッパにルーツを持つ魔術の一種。アメリカに移住したイタリア系アメリカ人によって研究されたウィッカ。1970年ごろに成立。

おわりに

ということで、今回は魔女特集でした。

調べれば調べるほど、いろいろ情報が出てきて面白かったですが、どれもが20世紀後半に創出されたことを考えると、胡散臭さを感じずに入られませんね。とはいえ、断片的に残ってた伝統や伝承を、それぞれが色々な解釈で頑張って統合を試みたのかと思うと、ちょっと尊敬してしまいます。

逆に言えば、仏教は神話と上手く融合してくれたおかげで、日本には神道がきれいに残ったわけです。一度、文化が断絶すると掘り返すのは難しいようです。

ヨーロッパの魔女文化、また暇を見ては勉強して見ようと思います。

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